【不動産登記 基礎知識 No.116】不動産相続登記の記事

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相続人に認知症の方がいる場合。

相続登記は、相続を原因として、不動産をどのように相続人が取得するのかを、表しています。遺言書があったなら、遺言書に記載の相続人が取得した旨を登記申請します。遺言書がなく、遺産分割協議をする場合は、相続人全員で話し合いをし、合意した通りに、登記申請します。遺言書もなく、遺産分割協議もせずに、民法で定められた相続にしたがった登記申請をすることもあります。それでは、相続人に意思表示のできない認知症の方がいる場合、相続登記はできるのでしょうか。

一番問題となるのが、遺産分割協議でしょう。遺産分割協議とは、遺産を相続人間で分割する方法を決めるための合意です。この協議は、相続人全員が遺産についての分配比率や取得する財産を話し合い、合意に達する必要があります。つまり、相続が起こった時に、相続人全員で、話合いをして、誰がどの財産をどれだけ取得するか決めるのです。そこに、認知症の方がいると、遺産分割協議ができません。

そこで、遺産分割協議をするためには、成年後見制度を使うことになります。家庭裁判所に申立てをして、成年後見人を選任する必要があるのです。相続人の中に、認知症になっている等、意思能力が低下している方がいるにもかかわらず、成年後見人を立てずに、遺産分割協議をしたとしても、この遺産分割協議は無効になります。よって、成年後見人が、被後見人である相続人の代わりに遺産分割協議に参加し、その相続人の利益を守る役割を果たす必要があります。

ただ、成年後見制度を開始すべく、家庭裁判所に申立てをした場合、成年後見人に親族がなれるとは限りません。弁護士や司法書士等の専門家が選任される場合もあるのです。そうなると、月々の報酬が発生してしまいます。現行の成年後見制度では、遺産分割協議が終わった後も、認知症である限り、その方が亡くなるまで後見人が就くため、報酬もずっと発生し続けます。

それでは、遺産分割協議をせずに相続登記を申請することができるのでしょうか。遺産分割協議をせずに、民法で定められた通りの相続にしたがった分配方法でいいなら、認知症でない方が代表して相続登記を申請できます。ただし、もしこの相続登記の後に、不動産を売却したい場合は、結局、成年後見制度を使って売却の手続きを進めることになるので、注意が必要です。

超高齢化社会である日本では、相続人も高齢化しています。ということは、相続人が認知症である確率も高くなっているということです。不動産を所有している場合、生前に、遺言書を作成したり、生前贈与をしたり等の生前対策をしておくのも非常に有効となるでしょう。

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