相続放棄をするべきか決められないときは
相続が起こった時に、遺言書がない場合、民法で定められた相続人(法定相続人)と民法で定められた持ち分(法定相続分)で、被相続人(亡くなった方)の相続財産を相続します。この相続財産ですが、日本の場合は、プラスの財産のみならず、残念ながら、マイナスの財産もすべて相続することになります。マイナスの財産としては、被相続人の借金が代表例でしょう。時として、ある相続人にとっては、不動産も負の相続財産になるかもしれません。
例えば、父、母、子供2人の4人家族があるとしましょう。父と母が住んでいる自宅の不動産が父所有で父名義の登記が入っています。この場合に、父が亡くなりました。民法通りですと、この自宅は、母が2分の1、子供が4分の1ずつの共有で相続することになります。しかし、大抵の場合、「母がずっと住んでいるのだから、母の名義にしていい。」と、子供たちは言います。つまり、「遺産分割協議」をして、自宅の名義を母の名義に変更するわけです。
しかし、ここで父が借金をしていたとすると事情は違ってきます。借金は、すべての相続人に引き継がれます。自宅を母の名義にしたのだから、借金も母が引き継ぐようにしましょうというふうにはならないのです。原則は、各相続人が法定相続分ずつの借金を背負うことになります。そうなると、子供2人は相続放棄をするかもしれませんが、母としては、自宅も相続したいし、でも借金は引き継ぎたくないしと、相続をするのか、相続放棄をするのか、判断に迷うことになります。
不動産が負の相続財産になる場合を考えてみましょう。先ほどの例で、父は先にすでに亡くなっており、今回亡くなったのが母で、相続人が子供2人の家族であった場合はどうでしょう。もし相続人である子供2人が、相続財産である実家からかなり離れたところに住んでおり、その実家は売りに出してもなかなか売れそうにない不動産であるとすると、当然相続したくないという気持ちになるでしょう。実家を相続するほうが費用や労力がかかってしまうからです。
このように相続財産にプラスになるものとマイナスになるものがあり、状況によって、プラスの相続財産になるのか、マイナスの相続財産になるのか判断がつかないことがあります。相続放棄をするためには、被相続人の死亡を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申立てを行わなければならないので、そのまま相続するのか、相続放棄するのかを3ヶ月以内に判断しなければなりません。しかし、容易に判断できないことが多々あります。
そこで、こういった場合は、「相続の承認又は放棄の期間の伸長」を家庭裁判所に申立てておきましょう。「相続の承認又は放棄の期間の伸長」を申立てることによって、3ヶ月という期間を、伸ばすことができ、相続をこのままするのか、相続放棄をするのか、じっくり考えることができます。相続登記をするのは、相続をするのか、相続放棄をするのか、決まった後になります。被相続人が亡くなった後、相続をするのか、相続放棄をするのかを決めるには、3ヶ月という期間は短すぎるでしょう。このような時には、3ヶ月以内に、とにかく「相続の承認又は放棄の期間の伸長」を申立てておいて、期間を伸ばしてから、じっくり考えて決断しましょう。
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